2010年12月16日

フランス食文化、無形文化遺産に

2010年12月12日付けの“デクヴェルト食事会後記”の欄で
ちらっと触れましたが、今年の11月にフランスの食事文化が
ユネスコの人類の無形文化遺産として登録されました。
フランス人の友人たちも、食べることが大好きなわたくしも
喜んでいます。ル・フィガロ紙に掲載された関連記事を、
ご紹介します。

Le ≪ repas gastronomique des Français ≫, avec ses
rituels et sa présentation ; a été inscrit au patrimoine
immatériel de l’humanité : C’est une première.

≪ Le repas fait partie profondément de l’identité
des Français≫,  explique Jean-Robert Pitte,
Président de Mission française du  patrimoine
et des cultures alimentaires, qui portait ce dossier
depuis trois ans. ≪ Ça existe dans bien d’autres
pays.  Mais nous avons une certaine forme de
gastronomie, avec ce mariage mets et vins, cette
succession de plats, cette façon de mettre la table,
d’en parler, qui sont  spécifiquement  français.
 (Extrait de l’article paru sur Le Figaro du 16-11-2010)


(訳) フランスの食文化が、そのしきたりや盛り付けを含めて、
人類の無形文化遺産として登録された。
初めての快挙である。
3年前からこれに携わってきたフランス文化遺産・
食文化協会会長のJ.R.ピット氏は次のように語っている。
『フランスの食事はフランス人のアイデンティティと深く
結びついています。食事文化は他の諸国でも存在する
でしょう。しかしフランスにはフランス独特の食事様式が
あります。たとえば料理とワインのマリアージ、
何皿もの料理が 続けて出される点、テーブル・
セッティングの仕方、それらを話題にすること等です。』
 (2010年11月16日付けル・フィガロ紙より抜粋)

確かにフランス料理の醍醐味は、味を楽しみ、食事の
過程を楽しみ、会話を楽しみ、余韻を楽しむことに
あると思います。もちろん味は大切ですが、味の追求
だけではや々片手落ちです。オードブルからメイン
料理、そしてデザートに至る過程で、会食者とお喋り
しながらあれやこれやと料理の組み合わせを考えたり、
ワインとの組み合わせを考えるのは至福のひと時
ですし、遊び心がそそられる瞬間でもあります。
おいしいものを「楽しく食べる」ということは、成熟した
文化の現れなのかもしれません。 


余談ながら、この記事に対して、『実は無形文化遺産に
指定されたのはフランスが初めてではなく、メキシコの
食事文化も登録されている。しかしフランスのメディアは
それに見向きもしなかった。』 という読者からの反論記事も
みつかりました。メキシコのことは調べようもありませんが、
このような反論記事を削除しないフランスが(尖閣諸島
事件の直後であっただけに)筆者には面白く思えました。                                         

 (2010/12/16 記)
posted by yoko at 02:28|